「AIを勉強してみたい」
そんな高校生は、ここ数年で一気に増えました。
ChatGPTをはじめとする生成AIの登場によって、人工知能は身近な存在になっています。
実は今、AIにも高校生が世界を目指せる国際科学オリンピックがあることをご存じでしょうか。
2024年に始まったばかりの国際人工知能オリンピック(IOAI)です。
日本でも、その代表を選考する日本人工知能オリンピック(JOAI)が開催されています。
今回は、この新しいAIオリンピックについて紹介します。
AIオリンピックとは?
AIオリンピックの正式名称は、International Olympiad in Artificial Intelligence(IOAI)です。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1959年 | 国際数学オリンピック(IMO)開始 |
| 1989年 | 国際情報オリンピック(IOI)開始 |
| 2024年 | 国際人工知能オリンピック(IOAI)開始 |
AIオリンピック(IOAI)は2024年に第1回大会が開催されたばかりです。
数学オリンピック(IMO)や情報オリンピック(IOI)に続き、人工知能分野の高校生が知識や技術を競う国際大会として創設されました。
なお、AIオリンピックは「AIを使えば誰でもできる大会」というものではありません。
数学やプログラミングの基礎に加え、機械学習やデータ分析への理解が求められる、本格的な国際科学オリンピックです。
なぜAIオリンピックが作られたの?
近年、AIは急速に発展しています。
- 医療
- 自動運転
- 画像認識
- 自然言語処理
など、社会のあらゆる分野でAIが活用されるようになりました。
IOAIが目指しているのは、AIの知識や技術を競うことだけではありません。
AI教育の普及、世界中の高校生との交流、責任あるAIの活用、そして次世代のAI人材の育成を目的としています。
AI技術の急速な発展に伴い、世界ではAIを本格的に学ぶ高校生が増えています。
こうした流れを受けて、AIの知識や技術を競い合うだけでなく、世界中の高校生が交流し、責任あるAIの活用について学ぶ場として、国際人工知能オリンピック(IOAI)が創設されました。
日本にもAIオリンピックがある
日本では、日本人工知能オリンピック(JOAI)が開催されています。
JOAIは、国際人工知能オリンピック(IOAI)の日本代表を選考する国内大会です。
| 日本大会 | 世界大会 |
|---|---|
| 日本人工知能オリンピック(JOAI) | 国際人工知能オリンピック(IOAI) |
AIオリンピックではどんなことをするの?
JOAIでは、実際のデータを使った課題に取り組みます。
その際に使われることが多いプログラミング言語が「Python(パイソン)」です。
例えば、
- 猫と犬の写真をAIが正しく見分けられるようにする
- 手書き数字をAIが読み取れるようにする
- 過去の気温データから翌日の気温を予測する
といった課題です。
JOAIでは、このPythonを使いながら、実際のデータをもとに課題へ取り組みます。
競技プログラミングとは異なり、AIや機械学習をどのように活用するかが重要になります。
参加者は、AIに大量のデータを学習させながら、どうすればもっと正確に判定・予測できるかを試行錯誤します。
競技プログラミングが「速く正確なプログラムを作る力」を競う大会なのに対し、AIオリンピックでは「AIをより賢くする工夫」が重要になります。
情報オリンピックとの違い
ここが一番気になる人も多いでしょう。
情報オリンピック(JOI・IOI)は、アルゴリズムとプログラミングを競います。
一方、AIオリンピックでは、
- 機械学習……AIにデータを学ばせる技術
- データ分析……データを分析する力
- AIの活用……AIを使って画像や文字を判定したり、未来を予測したりすること
が中心になります。
つまり、AIオリンピックでは、 AIにたくさんのデータを学ばせ、 「どうすればもっと正しく判定・予測できるか」 を考えながら改良していく力が問われます。
情報オリンピックは「プログラムを作る力」を競う大会です。
AIオリンピックは「AIにデータを学ばせ、判定や予測をより正確にしていく力」を競う大会なのです。
AI初心者でも参加できる?
「AIなんて難しそう……」と思うかもしれません。
しかしJOAIでは、初心者向けの教材や学習コンテンツも公開されています。
まずPythonを学び、機械学習に触れてみるところから始めることができます。
もちろん、代表レベルになるには継続した学習が必要です。
それでも、Pythonや数学の基礎から少しずつ始めれば、AIの世界への第一歩を踏み出すことができます。
Pythonができれば参加できる?
JOAIでは、Pythonが主なプログラミング言語として使われています。
そのため、Pythonの文法が分かっていると学習を始めやすいでしょう。
ただし、Pythonを書けるだけでは十分ではありません。
データをどのように扱い、どうすればAIの判定精度を上げられるかを考えることが重要になります。
Pythonの名前の由来
「Python(パイソン)」という名前を聞くと、多くの人はヘビ(ニシキヘビ)を思い浮かべるかもしれません。
実は、この名前はヘビが由来ではありません。
Pythonを開発したオランダのプログラマー、グイド・ヴァンロッサムは、イギリスのコメディ番組 『Monty Python’s Flying Circus(空飛ぶモンティ・パイソン)』 のファンでした。
「親しみやすく、覚えやすい名前にしたい」という思いから、「Python」という名前が付けられたそうです。
これはPython公式ドキュメントのFAQでも紹介されています。
そのため、Pythonのロゴはヘビですが、名前の由来はコメディ番組なのです。
参考:Python公式FAQ「Why is it called Python?」
AI開発では、Pythonに用意されている便利な「ライブラリ」を組み合わせながらプログラムを作ることが一般的です。
数学はどのくらい必要?
AIでは数学も大切になります。
特に高校数学で学ぶ
- 関数
- ベクトル
- 確率・統計
などの考え方は、AIを理解するうえで役立ちます。
とはいえ、最初から大学レベルの数学が必要というわけではありません。
Pythonを使いながらAIに触れていく中で、「もっと数学を勉強したい」と感じる人が多いようです。
競技プログラミング経験者が有利?
競技プログラミングの経験があると、プログラムを書く力や考える力は役に立ちます。
しかし、AIオリンピックで求められる力は、それだけではありません。
AIでは、
- データを分析する力
- AIの特徴を理解する力
- より良い結果が出るよう試行錯誤する力
も重要になります。
そのため、競技プログラミング経験者が有利な面はありますが、AIを学び始めた人にも十分挑戦するチャンスがあります。
AIに興味があるなら挑戦してみよう
AI分野は、これからますます発展していくと言われています。
数学オリンピックや情報オリンピックには長い歴史がありますが、AIオリンピックは2024年に始まったばかりの新しい大会です。
数年後には、AIオリンピックも数学オリンピックや情報オリンピックのように、多くの高校生が目標とする大会へ成長しているかもしれません。
その歴史の始まりを知ることができるのは、今の高校生ならではの特権です。
母として思うこと
最初は私も、「AIオリンピックというのならChatGPTのようなAIを使って競う大会なのかな?」と思っていました。
でも実際は違います。
JOAIでは一から新しいAIを発明するというより、既存の機械学習モデルを学習・調整して性能を高める課題が中心です。
AIの仕組みを理解し、Pythonなどを使ってAIを作り、より正確に判定・予測できるよう工夫する力を競う大会であって、ChatGPTのようなAIに答えを書いてもらう大会ではありません。
AIは、今や特別な研究者だけのものではありません。
高校生でも学び始めることができ、世界大会を目指せる時代になりました。
2024年に始まったばかりの新しい大会だからこそ、その歴史を最初から見届けられるのは、今の高校生ならではの特権です。
AIに興味があるなら、ぜひ挑戦の選択肢の一つとして知っておいてほしいと思います。
まだ多くの人に知られていない今だからこそ、一歩早く知ることに大きな価値があるのではないでしょうか。
AIオリンピックに挑戦してみたいと思ったら
興味を持った方は、ぜひ公式サイトもご覧ください。
募集要項や学習教材も公開されています。
🇯🇵 日本人工知能オリンピック(JOAI)公式サイト

🔗 JOAI募集要項

🔗 JOAI学習教材


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